|
 |
創造の狂気 ウォルト・ディズニー (単行本)
彼の才能は天賦のものか、努力の賜物か。ディズニー・アーカイブへの完全なアクセスを許されて書かれた本書が、ウォルトの生涯を明らかにする。その本質は、抑えきれない創造への意欲との葛藤であった。
価格: ¥ 1,995 (税込) 1500円以上配送料無料
ご購入はこちら
|
創造の狂気 ウォルト・ディズニー (単行本) |
世界的なエンターテインメントを生み出したウォルト・ディズニーの生涯は、周囲の人との軋轢の繰り返しでした。父親との葛藤、映画会社の裏切り、従業員の集団退職や大規模のストライキにも遭遇します。一方で、ウォルトも、周囲の人に悪態をつくことは当たり前。長年務めた部下をいとも簡単に首にするなど、人間的な温かみとは無縁でした。夢や愛情にあふれた作品を多数残した作者の人生は、意外にもエゴイスティックだったのです。彼の生涯は、ただ自分の夢見た世界をつくりたかった、という一言に尽きます。子供の頃に描いた夢が、不幸にも大人になるとさらに大きくなり、最後まで夢の実現を目指してまい進します。クリエイティブの重要性が増している時代に、彼の生き方に学ぶのはとても価値があると思います。そして、本当のクリエイティブとはわがままが原点であることが本書から読み取れます。ディズニーの伝記は公認本や暴露本など日本でも数冊出ています。本書は、ディズニー社の全面的な協力を得て必要な資料への閲覧を許されながら、同社の検閲なしで出版できました。そのため、ディズニーにとって都合の悪い話も描かれており、リアルです。
|
創造の狂気 ウォルト・ディズニー (単行本) レビュー |
一読の価値ある大力作, 2007/8/2
本書は極めて優れたウォルトディズニーの伝記であると同時に、極めて優れた20世紀アメリカ史の教科書であり、極めて優れた経営学の教科書である。ピュアなディズニー作品のファン向けの書物ではないかもしれないが、大力作であり、一読の価値がある。600頁を超える大著ではあるものの、優れた訳にも助けられ、睡眠を削ってあっという間に読み終えた。
20世紀アメリカは世界の中心であった。ウォルトディズニーの人生は、二つの大戦と恐慌、共産主義の台頭、戦後の繁栄などの揺れ動くアメリカ(及びそれを中心とする世界)との文脈において捉えられている。そして、それが極めて精緻に描かれている。
著者はウォルトディズニーに対して、決して手放しの賛辞を送っているわけではない。むしろ随所に、彼の自己中心的な側面や経営能力の欠如が指摘されている。それでもなお、自らの強い信念に従い、冷静な兄の牽制もあって銀行や資本家、従業員との問題などを解決していく様子は、正に経営のリアリティを克明に映し出している。
巻末の解説の提案に従って、久しぶりにディズニーの遺作Mary Poppinsを見た。恥ずかしながら、Mr. Banksの解雇からエンディングにかけては、涙が止まらない。私の目にもしっかりと、Mary PoppinsとMr. Banksの両主役は、ウォルトディズニーの人生観を体現しているように見えた。
なお、原題は"WALT DISNEY"であるが、「創造の狂気」という邦題はややずれている感が否めない。本書を貫くのは彼の執念と努力、困難と挫折、そして妥協と成功である。また、「ミッキー生みの親、実は「嫌なヤツ」?」という帯のフレーズは本書の内容を全く反映していないので注意が必要である。
エンターティナーとはこんなもの, 2007/11/18
子供のような考えと生き方では、ビジネスでの成功はないということ。
ビジネスで成功していくには、誰も信じないこと。
純粋に夢だけ見ていては、だめだということ。
しかし、目標を持って、一歩でもそれに近づく努力を忘れてはいけない。
ビジネスには、表と裏の顔があるのは、当たり前なのです。
でも、ウォルトディズニーは偉大です。 |
|